2018年9月18日火曜日

度肝を抜かれ、声を失う素晴らしさ、パリ市庁舎Hotel de ville Paris

 9月16日(日)欧州文化財公開日にパリ市庁舎Hotel de ville Parisを訪問、前日のエリゼ宮に続いて2日間でパリのBig2を見学しました。

 パリに20年以上いますが、市庁舎の見学は今回初めてです。
まず結果からお伝えすると、「エリゼ宮より凄い!なんでもっと早く見に来なかったのだろう、今まで素晴らしいと聞いてはいましたが、正直、所詮市役所と舐めてた!」と言うのが正直な感想です。エリゼ宮と較べても、断然、市庁舎の方が歴史的価値が高いと思われます。もちろん、エリゼ宮も歴史深い建造物であることは間違い無いのですが、大きさ、部屋の高さなどは市庁舎の方がはるかに上だと思います。
エリゼ宮には、国家としての重みがありますが、パリ市庁舎には歴史的、芸術的な重みを感じました。


 16日は開館予定午前10時でした。私は朝9時20分に到着しました。正面には列はなく、裏に回ると長さが70-80mほどで100人くらいの人が既に並んでいましたが、前日にエリゼ宮で3時間ほど並びましたので、これぐらいの列は全く苦になりません。9時55分、5分ほど早いですが、列が動き始めました。時間より早く開場とはフランスではとても珍しい事です。



セキュリティーチェックが始まりましたが、すぐに中に入る事が出来ました。10時5分には、入館しジャンヌダルクの像に出迎えられ見学がスタートです。




ジャンヌダルクの像の両脇には素晴らしい階段(祝宴の大階段)が上に伸びております。

この階段を登り、先に進むとSalon des Arcadesアルカデの間に到着しました。ここは一番大きいメインの祝宴の間ではないのですが、既に度肝を抜かれました。この1つの間は、3つに分かれており、西が「文学」、中央が「芸術」、東が「科学」と名付けられていました。
椅子の背もたれにもパリの紋章
中世騎士時代のサーベルなど


中央には「アポロンとペガサス」の天井画があり、

部屋を支える柱には、素晴らしい女性の絵画が飾られていました。
(残念ながら作者や絵画のテーマは不明です。)何と言ってもこの各柱を飾る女性画が素晴らしかったです。幾つかを写真でご紹介します。






ここでは、中世の騎士や当時の生活を再現した展示、実演などがされていました。

また、前日のエリゼ宮でもそうでしたが、これらの歴史的建造物を如何に補修・維持していくか紹介されていました。石工、シャンデリア・ステンドグラス等ガラス製品、木工製品、植物育成(フラワーアレンジメント含む)などの紹介コーナーがあり、一部では見学の市民が実際に参加したりできる展示もありました。



またパリの歴史として、市庁舎を訪れた人の紹介では、ヨハネパウロ法王、エリザベス女王、レーガン大統領、マンデラ大統領などが紹介されておりました。


更に進むと、Salon Georges Bertrand・ジョルジュ・ベルトランの間。ここも素晴らしいシャンデリアや壁装飾なのですが、ちょっと天井の雰囲気が変わり、フランスの大地を讃える画で迎えられます。フランスの大地の恵みを現しているのですが、見方によるとちょっと旧ソ連などの社会主義的な感じもしました。




歩を進めると、メインのSalle des Fetes(祝宴の間)に。
先ほどのアルカデの間で度肝を抜かれたのですが、ここではもう声がでませんでした。エリゼ宮の祝宴の間でも驚きましたが、エリゼ宮は残念ながら天井が低かったのですが、ここは非常に高く、教会の様です。もう説明する事は出来ませんので動画でご紹介します。

市庁舎の図書室も見学、今にもハリーポッターの仲間たちが出てきそうなクラシックな造りで、勉強がはかどりそうです。(恐らく学生が勉強する様な使い方は出来ないでしょうけど、、。)ここでお土産に本に挟む「栞」を頂きました。

Galerie des Commissionsを通って移動ですが、このギャラリー(通路)にも素晴らしいステンドグラスがありました。教会のそれとは違い、人々の社会生活を映し出したものでした。
「衛生」
「スポーツ」
     「科学」     
「芸術」
「食料供給」
 「パリ市内の交通移動」
「産業」
そのギャラリーを過ぎると、パリの市議会・議場に入ります。この議場も相当歴史の重みを感じる場所です。動画紹介します。
市民に選ばれて、この議場で働く市会議員さんには絶対に汚職が出来ないような、無言の歴史の重み、圧力を感じました。




逆に市長の執務室ですが、部屋は重厚なのですが、インテリアは女性市長らしく、少し柔らかい空気を感じさせる物でした。

世界各国からの贈り物なども展示されておりました。日本の京都市長からの贈り物などが目に着きました。


見学はおよそ2時間くらいでした。
臨時のお土産物ブティックには、パンフレットやペン、マグカップ、絵葉書などの他になんとパリ市の道路に敷石なども販売されておりました。

頂いた栞とメモ用紙

美しい回廊
ロシア皇帝・アレキサンドラ3世から贈られた陶器

精巧に作られた美しい機械時計

彫刻もあり過ぎてご紹介しきれません。

インスタ映えのスポットも用意されていました。

当方の写真技術の稚拙さ、文才の無さでパリ市庁舎の本来の素晴らしさをお伝えできないのが残念です。是非、来年この文化財公開日を迎えたら、パリ市庁舎を訪問して下さい。
ちょっと遠いヴェルサイユ宮殿も、最低3時間並ぶエリゼ宮も素晴らしいですが、数十分の待ち時間でヴェルサイユとノートルダムとエリゼ宮を足して3で割ったような(もっと気の利いた表現ができないものか!)この市庁舎をご自分の目に焼き付けて欲しいです。
パリ在住者でなくても、普通にオルセーやルーヴルに並ぶくらいの感覚で見学できます。しかもこの日は無料ですので、来年のこの週末にパリに来る方は、是非予定に組み込んで下さい。エリゼ宮は10年に一回見れば良いですが、パリ市庁舎は毎年見るべきです。私は来年も行きます。絶対に。

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