2020年8月16日日曜日

ジャンヌダルク終焉の地・Rouenルーアン

 8月中旬、パリから列車で1時間20分ほどの都市・Rouenルーアンを訪問しました。


ルーアンはノルマンディー地方の首府であり、人口11万人の地方都市です。(ちなみに日本で人口11万人と言えば、東京・昭島市、北海道・小樽市、滋賀・彦根市くらいの規模です。)
有名な物は、乳製品チーズ(カマンベール、リヴァロ、ポンレヴェック、ヌフシャテル)、リンゴ(シードル、カルバドス)、モネが描いた大聖堂、そしてジャンヌダルクが火刑にされた都市という事実。

今回はジャンヌダルクにゆかりのある場所を尋ねました。
街には地下鉄・メトロも走っておりましたが、観光名所は全て徒歩圏内です。

L'Eglise Sainte Jeanne d’Arc ジャンヌダルク教会
教会自体はモダンで1979年に完成したもの。但し中のステンドグラスは16世紀の物で。以前、サン・ヴァンソン教会から移築された物。周りの市場やカフェにちょっとそぐわない感じのデザイン。
高い十字架から数10㎝の所にポワン・ゼロの表示が在り、彼女が火刑にされたポイントを差しているらしい。

さらにちょっと離れた所には、仏英独語で処刑された場所であると説明の看板がある。

教会の入口、左側にはジャンヌの像。



16世紀のステンドグラスは、サン・ヴァンサン教会から移築された物。

ジャンヌダルク教会の内部、
普通の教会と違って形が少し歪になっている。


火あぶりにされたジャンヌダルクの遺灰は、この橋からセーヌ川に捨てられた。当時はマチルダ橋と呼ばれ、現在はボイエルデュ橋と呼ばれている。(ここから上流2つめに、現在のマチルダ橋があるので注意)

ルーアンにも規模はそれほど大きいとは言えないが、充分に立派な美術館が有り、入場無料。
モネ、シスレー、コロー、モジリアーニ、ドラクロワ、カラヴァッジョの作品などもある。
ジャンヌダルクに関する作品も所蔵する。





     

フランス中に沢山のジャンヌの像が有りますが、私は甲冑を身に纏った勇ましいジャンヌよりも、この最後の写真・タイトル「ドンレミ村のジャンヌ」という像が好きです。
ジャンヌが恐らく神の啓示を聴いているであろうその瞬間を表す像です。ルーアンの美術館の物は真鍮製で高さ20cmくらいの物ですが、同じ物だがもう少し大きい石像がシャンティー城とオルセー美術館にあります。
こちらがオルセー美術館のジャンヌ像です。石像の白さも相まって、ジャンヌの処女性とその神秘性が感じられるオルセー美術館の中でも、私のお気に入りの作品の一つです。作者はHenri Chapuアンリ・シャピュです。

ルーアンにはその他にも Jeanne d’Arc Historial「ジャンヌダルク歴史館」という比較的新しい資料館があります。数年前にオープンした物で、博物館というよりは映像資料館です。
入場料は10.50€です。そこで日本語のワイヤレスホンを借りて、10数名のグループとなり8-10ある映像資料室をフィルムを見ながら回ります。
 フィルムは、火刑されたジャンヌの刑を見直し、名誉を取り戻す再審裁判を一緒に見るというもので、その過程でジャンヌの生い立ちから、戦場での活躍、火刑に至るまでの出来事を追って振り返る事が出来る内容になっています。ルーアンでのマストとなる新しい観光地です。是非お勧めです。

ルーアンには「ジャンヌの涙」というアーモンドをチョコレートでコーティングしたお土産が有ります。正直言って、どこにでもあるお土産ですが、商標登録したお店の勝ち!といったところですが、それ以外にはあまり「ジャンヌ」をこの街の一押し!という感じは感じられません。もちろん、ジャンヌダルクの描かれた絵ハガキなども売っているのですが、ジャンヌ一押しという描き方ではなく、大聖堂もあり、リンゴもあり、カマンベールもあり、さらにジャンヌもいましたよ、、。というくらいの感じです。
やはり、ジャンヌを火刑に処してしまったという街、人として現代の人々にも後悔や後ろめたさの様なものがあるのでしょう。ルーアンの住人に聞いた訳では有りませんが、、、。